私の登山記録

秋の穂高・涸沢2017(第1部)

 2017年の秋の涸沢・穂高は紅葉のピークと天候と週末が重なり、想像をはるかに超える人たちがその美しさを目に焼き付けることができました。
今回は3日間の行程で、初日はほぼ一日中雨でしたが、2、3日目は絶好の条件でここのところずっと連続して澄み渡る青空と色とりどりの紅葉を見ることができていて感謝です。






 

05時10分
上高地到着。まだ暗いです。
今回は3人パーティで行動しました。上高地に入る釜トンネルのゲートは朝5時にならないと開かないので、どんなに早くてもこの時間の到着が限界です。

今回は沢渡の駐車場から予約していたタクシーで上高地へ。繁忙期は5時前になると釜トンネルの前でタクシーや観光バスが長蛇の列を作っているのだそうです。我々は早めに出発したので一番にゲートの前に到着できました。






08時51分
横尾到着。
すっかり定番になってしまった「初日雨」。
今日も雨が降り続いています。気温も一桁台と思われ寒いです。横尾山荘に入りコーヒーを飲んで温まります。山荘のありがたみを感じる瞬間ですね。
天気予報では昼頃から回復するとのことでしたので、涸沢に到着することには回復して逆に暑くて生ビールが美味しいか? などと、いい方向に期待を寄せます。






09時14分
屏風岩が見えてきました。今日も霧がかかっていて神秘的な姿になっています。
晴れた時と写真のような天候の時では、実際の距離というのは変わりませんが、目で見た感じは違うものです。こうやって見ると霧に覆われている屏風岩ははるか彼方の存在のように見えます。これが晴れていると逆に目の前にそびえる岩壁のように見えて圧倒されます。






09時42分
雨が降り続いているせいで本谷橋手前では写真のように川となっている場所を横切っていく場所がいくつかありました。雨が降っている時はいつもこうなるので特に気にはしなかったのですが、多少水量が多いかな? と感じさせるものがありました。それだけ雨量が多いということですね。






09時50分
本谷橋到着。
今日は時間が早く、条件も悪いのであまり登山者はいません。水量が多いので普段腰を下ろして休憩する河原もほとんどが水没しています。
上高地からずっと雨に濡れているので、ゴアテックスのレインウェアも機能の限界が出てきているようです。

ザックを降ろして体を休める程度の休憩にとどめます。
今日はテント2泊で自炊(普通テントと言ったら自炊ですが・・・)なので58ℓのザックが限界まで詰まっている状態です。そんなものですから、ザックを降ろして一息つくだけでだいぶ違います。






10時35分
いつもなら大キレットが見えるこの部分も今日は完全に視界なしです。
そして、ここで全く予想していなかったアクシデントが発生。

足がつってしまった。

最近は軽量化重視でプランニングしてきたので、2泊3日の自炊テント泊の重量を担ぐのは本当に久しぶりだったことが原因だと思っています。一度足がつってしまうと、座って落ち着いたとしても筋肉が敏感になるらしくすぐに再発してしまいます。なので、他のメンバーには先に行ってもらい、自分はそれこそ1秒に一歩ぐらいのペースで騙し騙し上がっていきます。それでもしばらくすると激痛が走ってつってしまうので、休憩もこまめにしながら上がっていきます。






11時56分
ここまでくればもう一息です。
夏のような蒸し暑さではないのが救いです。休憩後歩こうとすると「どうぞ、先に行ってください私たちは遅いので」と言って譲ってくださる方もいるのですが、足がつっていて早く歩けないのでお先にどうぞと返事します。皆心配してくださり感謝です。

夏に来た時はまだ雪渓のを上を歩いたこの部分は、雪は消えて岩の上を歩いていきます。季節を感じますね。
風も吹き上がって来て歩いている分には良いのですが、停滞していると冷えてしまいます。一度寒気が入ってくれば稜線では雪になる時期ですから、防寒具は冬用のものを用意しています。そういう点では心配ないのですが、早く無事に涸沢に到着できるよう、言うこと聞かない足を叱咤激励しながら登っていきます。






 

どれぐらい時間がたったのでしょうか。多分14時前だったと思いますが、やっとの事で涸沢に到着しました。
メンバーが先に場所の確保と受付、それにコンパネを借りて設置してくれていました。本当に感謝です。
本来だったら、皆で調理して酒を飲んで・・・ と言う計画でしたが、とてもそう言う状況ではなく初日はそれぞれに調理などして、就寝しました。

夕方になると雲が上がって、紅葉の状況が見れるようになりました。どうやら紅葉の方はいい感じに色付いているようです。明日の朝に期待することにします。山の天気はわかりませんがとにかく期待できるような気がします。






05時37分
翌朝は雲ひとつない見事な快晴でした。
昨日の雨天で逆に空気が洗われたからでしょうか。とても秋空らしい清々しさがあります。
モルゲンロートも朝日が登につれて、おぼろげな赤から燃え上がるような赤に変わっていきます。まさに、穂高連邦が朝日で燃えています。






本日登頂予定の北穂高岳も赤く燃え上がっています。
今日は北穂高岳の往復をします。もう何度も登っている山なので心配はしていないのですが、気の緩みこそが事故の原因になるわけですから初心忘れず慎重に登ります。

昨日の足のつりは良くなったようです。
水の補給とかで小屋に行ったり来たりしましたが全く問題ありません。






07時10分
モルゲロートが落ち着いて、日が徐々に高くなってくると今度は真っ青な空に色とりどりの紅葉が映えるようになります。
今年もこの写真が撮れました。
若干ですが、去年より「赤」が綺麗なような気がします。今週末がピークというだけあって充分見ごたえがあります。
紅葉は本当にピンポイントでやってくるので、なかなか自分の予定と紅葉のピークが重なるというのが難しいです。なので今回は若干早いですがピーク時にくることができてラッキーです。






吊尾根下部の雪渓方面もいい感じになっています。
昨年のこの時期は残雪が全て消え去っていてびっくりしたのですが、今年はしっかり雪渓があります。






北穂高岳から奥穂高岳近くまでが見渡せます。
昨日はどうなることかと思いましたが、逆に空気が澄んでより美しくなったのではないでしょうか。
ま、紅葉というのはどの時点でピークと宣言できるのかわかりません(もしかして桜の開花みたいに一定の割合が紅葉していればピークとか?)でも、そういう細かいことは抜きにして明らかに紅葉の最盛期というのが素人が見てもわかります。






さて、これから登る北穂高岳(写真中央奥)をもう一度見上げます。
やはり名だたる穂高の名峰。そう簡単には登らせてもらえなさそうです。
登って下りてくるだけの行程ですから焦らずにゆっくり登って行くことにします。さて、この秋空は山頂まで持ってくれるでしょうか。北穂高岳山頂からあの槍ヶ岳の姿を 眺めることができるでしょうか。

アタックに必要ない道具はすべてテントの中に置いて、必要最低限の装備で準備します。

さて、北穂高岳へ向けて登山開始です。



記事は第2部へ続きます
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