私の登山記録

冬季西穂高岳の注意点

2017年1月 初稿
2017年2月 加筆
2017年3月 加筆

最近は各メディアで冬山の魅力について紹介されることが多くなりました。確かに白い峰に青い空は大変魅力のあるものです。
しかしながら厳冬期(残雪期)の登山に伴うリスクについてはまだまだ啓発が必要であると思います。当ホームページでも所々で雪山の危険性について言及してはいますが、この度「冬季西穂高岳の注意点として」想定される危険性についてまとめさせていただきました。もちろん個人の主観となる部分が多いですが、冬の西穂高岳を計画されている方に何らかの参考になればと願います。


気象条件が極端に変化します

厳冬期の西穂高岳の稜線は気象条件によって全く姿を変えます。メディアで紹介されていた素晴らしい景色を期待して計画したとしても、当日は悪天候になってしまうことはよくあることです。逆に厳冬期の北アルプスは好天に恵まれる方が少ないと考えていただいた方が良いでしょう。
例えば次の写真は丸山から稜線を撮影した画像です。

この写真を撮影した時は大変好天に恵まれ、理想的な冬山の姿となりました。誰もがこのような美しい光景を期待するのもでしょう。気象条件によって登山日を調整できる方であればこのような好天に恵まれる可能性も高いでしょうが、なかなかそうもいかないのが現実ではないでしょうか。では実際に天候が崩れるとどのようになるのでしょうか。どうぞ次の写真をご覧ください。

上の写真と同じ地点から撮影した写真です。
天候が悪いとこのような状態になります。どちらへ進めば良いかわかりますか?
もちろん最近ではGPS等の高度な機器のおかげで正確な進路を保つことができるのかもしれません。ですがどんなに科学技術が発達したとしてもこのような気象条件下でのリスクは依然として変わりません。もし、これが独標から先の岩峰帯であれば、10cm間違えたら雪庇を踏み抜いて滑落するような場所がいくらでもありますから、いくら高度なGPSでも測定できません。それに時に体感温度で氷点下30度以下にもなる状況下で最後まで正常に電子機器が作動する保証があるでしょうか?少なくともスマートフォンのGPSアプリでしたら機種にもよるでしょうが低温によりスマートフォン自体が落ちてしまいます。






急な気象の変化が頻繁にあります
 

写真は山荘手前の樹林帯の中から撮影した西穂高岳山頂です。空は快晴、このまま行けば素晴らしい山頂が期待できそうです。

ところがその2時間後に急に雲が出て来ました。

その次の瞬間、完全に雲の中に入ってしまい視界がなくなりました。この時はもう天候が回復しませんでした。たった2時間程度でこれだけ天候が変化してしまうのです。視界が完全に奪われてしまったら遭難の可能性が非常に高くなります。このため入念な気象条件のチェックが必要になります。稜線に出る前に山荘スタッフに相談してみるのも良いかもしれません。 






雪の状態によって難易度が異なります

雪の状態は一定ではありません。降雪直後でしたらラッセルが必要になり体力を激しく消耗します。とりわけロープウェイから山荘まで通常でしたら1時間程度で到着できますが、ラッセル時は半日かかることも珍しくありません。山荘から上部の稜線では胸までのラッセルということはまずないですが、場所によっては腰近くまでのラッセルになることもあります。また当然ながらトレースは消えていますので丸山までであってもどこを通っていけば良いかわからなくなることあります。
降雪直後は雪が締まっていないのでアイゼンやピッケルが効きません。アイゼンを蹴り込んでもピッケルを刺しても雪が崩れるだけです。このような状態の時、独標手前から山頂までは滑落の危険性が一気に増します。第12峰から先は滑落したら命の保証はありません。

写真は第3峰から先のトラバース部分ですが、左手に続く急斜面は谷底まで続いています。条件が良い時はアイゼンがきちんと効くので慎重にトラバースしていけるのですが、降雪直後等で雪が締まっていないと容易に雪が崩れてしまいパニックになります。体制を崩して滑落を止められず加速がついてしまったら、もう止まる手段がありません。 

反対に凍結することもあります。
凍結した雪面はアイゼンもピッケルも刺さりません。凍結した斜面を登ったりトラバースしたりするのは、コンクリートの斜面をアイゼンで歩くようなものだと思ってください。凍結が原因の滑落死は春先に多いのですが、気象条件によっては厳冬期にも起こり得ます。





滑落は何でもない場所でも起こっています

 危険度が高い難所は当然緊張感が走り慎重に行動するものですが、危険箇所をクリアした途端に緊張感が薄れてしまい集中力が欠けることにより、遭難するケースが数多く報告されています。
雪山は他シーズン以上に慎重に行動する必要があります。危険箇所から解放されたとしても依然としてリスクの高い場所であるということを認識しておく必要があります。






ロープウェイ〜山荘

この部分で特に注意すべきなのは雪崩の発生です。もちろん凍結や降雪直後のラッセルにも注意するべきことは言うまでもありませんが。

進入禁止の旗が立てられています。本来でしたらここは左側に迂回しなければなりません。なぜわざわざ迂回させるのか。それは雪崩の発生を防ぐためです。 少しでも雪崩の発生のリスクを防ぐために安全なルートがマーキングされています。ですが、マナーのない人がこれを無視してショートカットしてトレースをつけてしまった結果、後続する人が皆トレースを辿ってしまったことにより写真のようにリスクのあるルートができてしまったのです。ですから、「こっちの方が早くて楽でしょ」と思ってもマーキングされている正しいルートを使うべきです。






 山荘〜丸山

この部分は通常でしたらとりわけ問題があると言うわけではありません。雪山初心者でも比較的安全に来れると思います。ですがそれも「通常」の場合。

写真は丸山手前の部分です。
気象条件が悪いとこのような状態になります。これはまだ視界があるほうです。完全にホワイトアウトしてしまうと全く進行方向がわからなくなります。怖くなって引き返したとしても正しい方向がわからなくなる可能性があります「あれ、おかしいな」と思った時は既に遅いということが十分にあり得ます。
稜線上に出てみてこのような状態だった時は無理して進まず、直ちに引き返すべきです。






 丸山〜独標(第11峰)

 丸山から先の広大な斜面ですが、天候が良く雪質が良い時はとりわけ問題ありませんが、雪面が凍結していたり新雪でアイゼンが効かなかったりという状況下では滑落する危険性があります。時々トレッキングポールで登る方を見かけますが、滑落した場合、トレッキングポールでは止めることができません。山荘から先はピッケルに切り替えるのが原則です。

独標から丸山に下山するときに注意しなければならないのは写真の★印の部分です。この部分で大きく信州側に曲がらなければなりません。ですが視界が悪いとこれに気づかずにまっすぐ×印の方へ行ってしまう可能性があります。夏道でしたらルートから外れたことに容易に気づきますが、冬の場合は全てが雪の下なのでルートから外れたことに気づきづらいです。コンディションによってはトレースも消えているので尚更リスクが高くなります。また、本当に視界がないときは写真でいう右側(信州側)に行き過ぎてしまい、違う方向に降りてしまう可能性もあります。

この写真は丸山から先の稜線が終わり、尾根が狭くなる部分です。写真でわかるように雪庇が張り出しています。通常でしたら雪庇を避けて通るのですが、ホワイトアウトして視界がないときは誤って雪庇を踏み抜く可能性があります。ホワイトアウトすると地面の判別がつきづらくなりますので、歩くのなら飛騨側を歩くように心がけたほうが良いです。

 

上の写真は独標手前の第12峰です。こちらは登ってくるときはあまり峰という意識がないのですが、下山するとき見ると「え、こんなところ来たっけ?」とびっくりすることが多いです。この第12峰は夏と積雪期ではルートが違うので夏に来たことがある方は注意が必要です。夏はこの峰を巻いていくのですが積雪期は峰の上を越えて行きます。下山する際は夏道にマーキングがされているので誤ってトレースのない夏道に入り込んでしまう可能性が高いので注意が必要です。
また、峰の上を通る積雪期は信州側に雪庇がはり出すのでなるべく飛騨側を歩くように心がけないといけません。

独標直下の大まかなルートは写真の通りです。
まずは左にトラバースします。その後右上に切り返して登って行き、クサリが付いている岩を左に巻いて行き、最後はまっすぐ直登します。
降雪直後などでトレースが消えているときは、どこから取り付いたらいいかわからず迷ってしまいます。左にトラバースする部分をショートカットで直登しようとすると、想像以上の高度感や登りにくさに動けなくなることが多いです。経験豊富な方ならともかく、まずは左にトラバースするということを覚えておくといいでしょう。
写真にも記入しましたが、この左にトラバースする部分は吹き溜まりになることが多く、この場合は入念にキックステップで蹴り込んで足場を安定させながら進まないとズルズル崩れてしまいます。その後右に切り返して登る部分は比較的安定していることが多いです。
クサリのある岩を左に切り返した後の最後の直登部分が一番困難な場所です。アイゼンとピッケルをフル活用して3点確保で登ります(雪の状態がよく技術がある人は普通に上り下りできますが)。ただしこの部分の雪が締まっていない場合は非常に困難になります。登るときはまだ良いのですが降りるときは死ぬような思いをすることになります。この部分で滑落したら命の保証はありません。凍結している場合も同様です。






独標(第11峰)〜第10峰

独標から先は技術的にハードルの高い岩峰の連続になります。毎年滑落事故が相次いでいる場所でもあり、簡単に考えるような場所ではありません。十分な経験や技術を持っていること、プロガイドのサポートがあるなどの体制がない場合は決して踏み入れる場所ではありません。

独標の山頂側斜面は数年前に山荘スタッフにより整備がされて以来、大変楽になりました。足元が安定している場合は普通に前向きに上り下りすることができます。むしろ、山荘側斜面より楽です。トレースが消えている場合でも岩にマーキングがされているのでルートを外れることはほとんどないと思います。ただし、降雪直後など足元が不安定なときは一変して困難な道のりになりますので注意が必要です。

 

独標を降りて第10峰に登り返す部分です。基本的には飛騨側(写真左側)のルートを使います。岩の右側(×印がついている部分)は雪が積もっているとこちらの方が楽に思えますが、本来は雪がなく崖になっている場所ですのでこちらを進んだ場合命の保証はありません。
注意と記載されている部分は足元が安定していないとき(降雪直後、凍結時)は一度滑ると取り返しがつかない部分です。とりわけ3月頃にもなるとこの部分は凍結していることが多いです。当然ピッケルは刺さりません。しかも凍結している層の上に積雪している場合があり見た目は雪でも実際は氷なのでうっかり滑らせてしまうリスクがあります。






 第10峰〜第9峰

第10峰から第9峰間はこの稜線の中で一番困難な箇所のうちの一つといってもいいかもしれません。雪庇の踏み抜きやルートの確保、岩と雪のミックス状態の部分の直登など、雪山の危険性が濃集されたような場所です。

上の写真は第10峰から第9峰に向けて降りる部分です。
第10峰の頂上部分に「○」「×」がマーキングされているので間違えることはないと思いますが、時々写真に記載してある×印のルートをたどったトレースが残っていることがあります。この×印のルートは文字通り崖の上をトラバースすることになり、アイゼンやピッケルを所持している状態では全くメリットはなく、単に自分を危険にさらすだけになります。
確かに黄色い線で示された正規ルートは第10峰の頂上からは角度がありすぎて見えないので不安になるのですが、こうやって離れたところから見るとこちらのルートの方が安全なんだというのがよくわかります。垂直に近いルートですので特に降りるときは足場を慎重に確保することが必要で、いつ来ても緊張感が走る場所です。

 

第10峰と第9峰の間の尾根は毎年雪庇が張り出しますので踏み抜きに注意が必要です。
大まかですが写真の黄色い線から右側は雪庇ですので雪の下には何もありません。この部分はもともと痩せ尾根なので本来なら幅が非常に狭い危険な箇所です。写真左側の急斜面は谷底まで続いていますので、ついつい怖くて右側の雪庇の上を歩きたくなってしまうのですが、ここは我慢して本来の尾根の部分を歩くように心がけるべきです。写真右側は雪がなければ数百メートルの崖になっています。

 

上記の痩せ尾根を渡り、第9峰に登り返す部分も危険な箇所です。
先ほどの第10峰と同じ理由で×印の部分を歩くのは自殺行為です(雪の下には何もない)。岩の左側(飛騨側)を登るのが正解なのですが、途中★の部分が岩が変にせり出していて緊張感が走ります。荷物を岩に引っかけないように注意しないといけません。
また上の方にはクサリが設置されているのが見えると思いますが、つまりクサリを設置しなければならないような場所なんだということです。実際写真左側(飛騨側)は谷底まで続く崖になっていて、一歩滑らせたらアウトな場所です。なので足元が凍結していたり降雪直後でアイゼンが安定しないときなどは生きるか死ぬかの世界になってしまいます。






 第9峰〜ピラミッドピーク(第8峰)
 

第9峰を過ぎるとピラミッドピークへは斜面のトラバースと直下の急登になります。その中でも特に注意しなければならないのは写真の黄色く囲まれた部分の雪壁です。雪が締まっていれば問題ありません。降雪直後や春先など雪が緩んで崩れるような時にこの部分は非常に困難になります。足元が安定していないので一歩踏み込むと雪が崩れ、今いる場所よりも下まで崩れてしまうことも珍しくありません。この部分だけで相当体力を消耗してしまいます。






ピラミッドピーク(第8峰)〜第5峰

ピラミッドピークの次は第7峰です。第7峰に登っていく部分は雪がついているからこそ比較的登りやすいように感じますが、実際は非常に痩せた尾根であり滑落死亡事故も起きている場所です。まずは信州側に張り出している雪庇に注意します。
次に峰の頂上付近は夏ルートと冬ルートが分かれます。夏ルートは巻いていくルートになっていますが積雪期は峰の上を越えていけますので巻きません。下山する時間違えやすいので注意が必要です。積雪期に夏ルートを歩くとかなり大変です。

下山の際、第7峰から間違えて反対側の名のない峰に行かないように注意する必要があります。意外に間違えることが多いので注意が必要です。

第7峰から第6峰に降りる際は写真のような場所を降りるのだということを念頭に置いておく必要があります。山頂側ルートは本来でしたら飛騨側に回り込むルートとなっていますが写真では断面ギリギリを下りていくトレースがつけられています。その時のコンディションによって慎重に判断する必要があります。

第5峰は写真のようなルートで基本的には峰を巻いて行きます。ごく稀に第5峰を直登する人を見かけることがありますが、あまりメリットを感じません。
巻いていく部分はトラバースになりますので足元が悪い時は注意が必要です。






 第5峰〜チャンピオンピーク(第4峰)

第5峰からチャンピオンピークまでの道のりはかなりの急登になります。標高も高くなり、出発からだいぶ時間が経つ頃なので無理せずにペースを調節しながら登る必要があります。登る時も大変ですが、下山時もかなりの角度の斜面を降りますので恐怖感から腰が引けてしまわないように、アイゼンに対する荷重バランスに気をつけながら慎重に降りる必要があります。






 チャンピオンピーク(第4峰)〜第3峰

チャンピオンピークはゆっくり写真を取れるような場所ではありません。最初にチャンピオンピークに来ると一瞬どちらへ進んでいいかわからなくなるのですが、左側(飛騨側)に降りていくのが正解です。この部分は谷底まで続く急斜面を慎重に降りて行きますので大変緊張感があります。雪の状態によっては大変危険を伴う場所になります。一通り降りたら今度は第3峰に向けてトラバースをして行きます。ここから急斜面のトラバースが多くなります。

第3峰は第12峰と同様、冬季は峰の上を越えていけるようになります。十分な雪があるときは峰を巻いていく夏道をいく方が困難に思えます。ここまで来れる方であればご自分でルートファインディングできるものと思われますが、その時々により適切なルートを設定することが求められます。






第3峰〜主峰

 第3峰から山頂までのルートは上の写真のようになります。このうち下の方に記載した二つの急斜面の部分が高度感のあるトラバースになります。上の二つの急斜面と記載の部分は例のごとく雪質により難易度が全く異なる部分です。

第2峰をトラバースした後は夏道と冬道に分かれます。通常なら右側の冬道を辿ります。雪壁を登ることになりますが、冬道の方が上りやすいです。時々、夏道にトレースがついていることもあります。この時期の夏道は短い距離ですが一部緊張感の伴うトラバースがありますので注意します。
どちらを行くかはその時の状況で的確に判断する必要があります。

 

写真の丸で囲ってある箇所は雪質により難易度が違ってきます。雪が崩れるようなときはピラミッドピーク手前の雪壁と同様、登るのに困難を覚えます。しかも標高は3,000m近くですから疲労感も半端ないです。焦らず時間がかかっても良いのでペースダウンも視野に入れるべきです。

西穂高岳頂上直下でありある意味最大の難所です。
ここは状況により初心者でも簡単にクリアできる状況になり逆にプロの登山家でも手こずるような状況にもなり得ます。
雪質が良く多くの登山者が行き来するような状態の時は階段状のトレースができてしまい前向きに降りて来れるような状況になります。
反対に雪質が悪い(崩れる、凍結しているなど)時はこの斜面を上り下りするのが困難なため隣の岩を登らなければならないこともあります。
この斜面は谷底まで続いていますので、判断を誤って滑落した場合は谷底まで行ってしまいます。
従って、前回来た時に楽な状態だったので「今回も同じ条件だろう」というのは間違っています。たまたま運が良かっただけであって冬季西穂高岳の稜線はそう甘いものではないということを頭にたたき込まなければなりません。






最後に

ここに記載したのは西穂高岳稜線で注意すべき点のほんの一部分です。
実際にはもっと注意すべき点がたくさんあると思われますし雪山登山をどれだけ経験しているかによっても異なってくるでしょう。この記事に限っては定期的にアップデートをしていく予定ですが、冬季北アルプスを計画される方は「何が危険でどう対処すべきか」というのがきちんと解っていなければなりません。 
単に「思い立ったので登って来ました」というのはあまりにもお粗末と言わざるを得ません。先日ピラミッドピークまで登った際、第10峰〜第9峰間の痩せ尾根に張り出した雪庇の上に堂々とトレースが残っていたのにびっくりしました。「よく踏み抜かなかったな」と思ってしまうような場所でした。安易な気持ちで踏み入るのではなく、よく情報収集をする、経験者と来るなど慎重な対応をしていただきたいものです。
冬季西穂高岳ではニュースにはならないものの、滑落事故の情報が毎年のように聞こえて来ます。やむを得ない状況もあったのかもしれませんが、自分で防ぐことができる対策もあるはずですので冬季西穂高岳を計画される際には今一度その危険性について認識いただきたく願います。




 
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