私の登山記録

蝶ヶ岳(2011年9月

北アルプスデビューです。
しかも初のテント泊。
2日目は暴風で北アルプスの精錬を受けましたが、それはそれで良い思い出となり最高の登山でした。蝶ヶ岳山頂からみる穂高連邦には震えが来るくらい感動しました。






 

05時56分
上高地到着。
夜行バスはほぼ定刻で上高地に到着しました。

上高地は幼い頃両親に連れられて来た覚えがあります。河童橋でビー玉買ってもらった記憶が。で、おそらく明神まで歩いたのだと思います。

あれから月日が経過し、今は自分の意思で上高地に立っています。稜線を見上げると日が当たっています。なんだか胸がワクワクします。あれはどこの山でしょうか。西穂高岳の稜線なのでしょうか。






06時22分
上高地河童橋から穂高の稜線を見上げます。
美しいです。この景色は今まで登っていた丹沢の稜線では決して味わうことはできません。なんて言っても今いる上高地自体が標高約1600mで丹沢山塊の最高峰に近い高度なわけです。ここから登って行くわけです。
さて、はやる気持ちを抑えつつまずは明神に向けて歩いて行くことにします。地図でいえば30分程度ですから、体慣らしを兼ねて歩いて行きます。






07時02分
明神到着。
すでに多数の登山者が休憩しています。せっかくなのでザックをおろして小休憩することにします。今日は登山装備一式入っていますので、いつもの丹沢登山と比べるとザックの重さがまるで違います。
それでも初めてのテントが楽しみで仕方ありません。荷物の重さなんで全然気になりません。






07時44分
明神を出発すると左側に岩峰がそびえているのが目に入って来ます。
そうなんですよね、あの標高だと森林限界を超えているので岩になってしまうんですよね。
大変美しい山の姿にしばらく見とれてしまいます。






07時56分
徳沢到着。
ここまでくるとだいぶ歩いた感じがします。
陽の光が今歩いているところまで届くようになり、秋の木漏れ日のような雰囲気になっていて自然の美しさを感じます。
さて、ここからは梓川沿いの道を分岐してまずは長塀山方面へ登って行きます。初めての北あるブスの登りです。ドキドキです。






08時10分
長塀山への登りの最初は木の根が張り巡らされている階段状のコースをひたすら登って行きます。意外に急登ですかさずペースを落とします。
コース上には赤いテープが貼られていて迷うことはありません。






08時17分
さて、ふと見上げるとなんだか動いているものが見えたので、「え?」と思いよく見てみると、なんと猿が木に登っているではありませんか。野生動物がいるとは聞いていましたがこうやって目の前にいるのを見ると、山にいるのは人間だけではないんだなと言うのが実感できます。
よくテント上で食料を猿や熊に持って行かれたなんて話を聞きますが、やっぱり本当なんですね。






09時38分
しばらく登って行くとロープが貼られていて進まないように注意を促している場所がありました。「あれ、もしかして行き止まり? 道間違えた?」と一瞬ヒヤリとしましたが、まっすぐではなく左側に登って行くルート担っていることがわかり安心します。
もし、このロープがなかったら左側に曲がることに気づかずまっすぐ進んでいたかもしれません。登山道も周りをよく見ながら登らないといけませんね。






09時56分
手元の時計の高度計を見ます。
おお!、2000m超えています。人生初の2000m超えです。しかも左上の高度推移を表すメーターは恐ろしいほど右肩上がりになっていて一気に高度を上げているんだと言うのがわかります。
なんだか嬉しくなって来ます。もちろん高度が高ければ良いと言うものではありませんが、やはり登山者にとっては標高が高いと言うのはある意味憧れの一つではないでしょうか。






11時48分
長塀山登頂。
う〜ん、これは西丹沢の山頂と同じような状態ですね。木々に囲まれて視界なし。
それでも北アルプスで最初に登った記念すべき「山」です!
視界のない長塀山で腰をおろして行動食を食べます。朝・夕は食事、昼は行動食と言うのが基本であると座学で勉強しましたのでそれを実行します。
今回行動食として持って来たのはソイジョイとカロリーメイト。しばらく休憩した後、いよいよ蝶ヶ岳へ向けて進んで行きます。






12時18分
事前に調べたところだとこの稜線には池がいくつかあるとのことでした。本当なのかなと半信半疑でしたが、本当にありました。写真はそのうちの一つですが、この前後にも池がありこんなところに池があるんだとびっくりします。ま、川が流れて池になっていると言うわけでなく、どちらかと言うと水溜りというイメージに近いのですが、これはこれで登山者を楽しませてくれます。花が咲いている時期にくるととても美しいようですので次は初夏にきてみようと思います。






12時51分
さて、蝶ヶ岳に向かって徐々に登りつめて行きます。しばらくすると森を抜けて視界が一気に広がります。森林限界です。小学生の頃社会の授業で勉強して以来の単語です。「森林限界」これ以上高木が育たない標高。実は森林限界はその地方によって異なるようですね。何か規定された高さがあるというわけではないようです。

森林限界を突破すると稜線の姿は一変し、ハイマツで覆われている地帯を抜けて行くようになります。そして目に飛び込んできたのは・・・






きました〜!!
槍ヶ岳と穂高連邦の雄大な姿です。
いや〜、山の雑誌とかではたくさん見てきましたが現物を見るの初めて。スケールが違いますね、スケールが!!

しばらく動けなくなってしまいました(笑)

いや、もちろん丹沢だっていいですよ、でもこれは北アルプス穂高でないと見ることができない雄大な景色です。
ここに来るまでテント一式の重い装備を担いて大変な思いでした。ですが、今まさにそんな苦労が一気に吹き飛んでしまいました。これこそ天空の領域です。






少し左に目を写すと大きく凹んだ大キレットの隣にあの有名な涸沢が見えます。
ちなみにこの時点では大キレットの部分が涸沢だと勘違いしていました。夜になって山小屋の明かりが想定していたところと違うところに灯っていたので、その時点で初めて間違いに気づいたのでした。
いや〜、いつまで見ていても飽きないです。






13時00分
蝶ヶ岳の最後の登りです。
先に書いたように森林限界を突破しているのでハイマツ帯のザレ場を慎重に登って行きます。樹林帯の中とはまるで違うコンディションです。
体力もかなり使い果たしていて、さすが名だたる北アルプスの名峰だと手応えを感じます。っていうかそんな綺麗事のような感じではなく、バテバテで早くテント張って横になりたい〜、という哀れな感じで登って行きます・・・






13時02分
それでもって、ちょっとした登りを登ると見えてきました! 蝶ヶ岳ヒュッテの赤い屋根!
やっと目的地に到着です。この重いリュックをやっとおろして横になることができます!
それにしても素晴らしい景色ですね。こんなの初めてです。横をみれば槍・穂高の絶景が広がっていて文句なしの世界です。
さあ、まずは蝶ヶ岳山頂に向かうことにしましょう。






13時10分
蝶ヶ岳登頂。
標高2677m、もちろん今まで登った山の中で最高峰です。はっきり言って達成感が違います。苦労しただけ達成したときの喜びもハンパないわけで。
ところで蝶ヶ岳の山頂というのは何か解釈が変わってこちらになったとかという情報を聞きましたが、今はもうそんなことは関係ありません。何もここから見える景色が変わるわけではないですから。






14時00分
テント場にテントを設営しました。
一度自宅とかで仮に設営して練習したので、比較的スムーズに張れたと思います。登山用のテントは意外にシンプルで設営しやすいんですね。
なんだか嬉しくなってきます。北アルプスデビューそしてテントデビュー。ちなみに、北アルプスではテントは所定の場所にしか張ってはいけません。大抵は山小屋の近くにテント場があり、トイレや水場は山小屋の設備を利用します。もちろん緊急時の宿泊(ビパーク)を排除するものではありませんが、決められたルールを守るのが山での鉄則ですね。






テント場の全景です。今日は比較的というかかなり空いています。
このテントサイトは地面はほぼ土です。それでも下にクッションを敷かないとちさな石がたくさんあるので痛いです。
のんびりしていてとても過ごしやすいテント場ですね。開放感がたまりません。






こちらは蝶ヶ岳ヒュッテです。
実はテント張る前にここでラーメンをいただきました。軽食の提供は午後2時までということなので先に食べてしまいました。
テント場が山小屋の近くというのは色々な意味で安心ですね。こういう山の稜線にきて初めて気づくのが水の貴重さ。下界ではちょっと蛇口をひねればいくらでも水が出てきますが、こういう稜線では水は貴重です。
調理用の水を購入してテント泊に備えます。






槍・穂高連邦に乾杯!!
そして、次はあそこに見える穂高連邦に登るぞ! と心に決めました。
まずは、北穂高岳だ〜 って、なんで北穂高岳なのか自分でもよくわからないのですが、もうすでに頭の中ではプランニングが始まっています。その前にきちんと下山してから考えろって感じですが、まあ、いいか。

食事は初めてのテント泊ということもあり、夕飯はアルファ米ベースの梅わかめご飯とスープにおかず、朝食はラーメンの予定。夕食は予定通り調理(お湯沸かしただけですが)して食べました。不思議と美味しく感じるのはやはりテントで食べるからでしょうか。



さて、翌朝は暴風雨でした。これはたまらないということで食事というよりもまずテントを撤収してすぐに下山することにします。下山は横尾分岐より横尾へ下ります。散々な思いをして横尾まで降りてきました。朝食を食べていたなかったので、横尾で軽食を食べることにします。


というわけで北アルプスデビュー、テントデビューを済ませました。翌日の暴風雨はちと残念でしたが、まあこれも良い思い出になるでしょう。
もう、すでに穂高へ登る計画をしています。

まだまだ北アルプス登山は続きます。


2011年9月16日〜17日



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