槍ヶ岳〜北穂高岳(第1部)
いつも遠くから眺めていたあの槍ヶ岳。今日はついにその頂に立つ事ができました。
当初の計画では槍ヶ岳に登頂後、南岳まで縦走し、そこでテント泊をする予定でしたが、何せ体力的に限界突破したので、予定を変更して槍ヶ岳のテント場でテント泊をしました。
07時43分
いつもながらの上高地に到着。
河童橋から撮影していますが、ズームにすると何となくイメージが違うのは気のせいでしょうか?
え? 気のせいだって?
ま、今年は夏に来なかったので一気にタイムスリップした穂高の峰々を見上げているうちに、自分の中の何かが勝手にズームにしてしまったんですね。
って、勝手な事を言いつつ、FB用に写真を撮って投稿してから、出発します。
10時14分
もう数えきれないくらい来ている横尾に到着。
ま、ここは北アルプス南部の登山道が交差する要所ですから、ここを訪れる率は高いのも当然なのですが。
で、この横尾からは3方面に行く事が出来ます。涸沢、蝶ヶ岳、そして槍ヶ岳方面。
今回、初めてこの横尾から槍ヶ岳方面へ足を踏み入れる事にします。
11時17分
横尾を過ぎてしばらくは、今まで来た道と同じような道を歩いて行きます。
川が左に曲がるころになると、だいぶ登山道らしくなってきます。それでもほとんど斜度がないので、とても楽に歩いて行けます。
ということは、ラストスパートが恐ろしいという事か・・・
11時48分
一の俣、二の俣の二つの橋を超えて進んで行くと少しずつ高低差が出始めてきます。
今日はとても天気が良く日差しも強いですが、木陰になっている部分もあり、そんな場所に来るととても涼しいです。おまけに風が冷たいので、火照った身体を心地よく冷やしてくれます。
12時30分
さらに勾配がキツクなり、息が切れてきた頃に槍沢ロッジに到着しました。
ここでは、休憩と軽食をいただきました。
キャンプ指定地はここから40分くらい登って行ったババ平という所にあります。なので、ここでテントの受付を済ませておきます。
ちなみにこの槍沢ロッジは浴室があり宿泊者は入浴できるそうですよ!
13時33分
本日の宿泊地であるババ平に到着。
この時点では7張程度でしたが、時間が経つに連れて混雑してきました。
このテント場は小屋から40分程度離れたところにあるのですが、水やトイレがあるので問題はありません。
で、食事ですがやはり軽量化重視という事で(一応そういっておかないとね・・・)夜はアルファ米とスープ、朝はラーメンにツナを入れてちょっとだけ変化に富ませているのです。
ツナというと缶詰という印象があるのですが、最近では小分けした袋に入っている物があるんですね。スーパーで見た瞬間に「これだ!」って目を付けていたのであります。
07時53分
テントで一夜を明かし、翌日はさらに上へめざして行きます。
テント場からしばらく進むと水俣乗越への分岐にさしかかります。ここを登って行くと東鎌尾根の稜線に出る事が出来ます。
地図で見るとここから槍の肩まで3時間半となっています。
以前、何かの番組で聞いた事があるのですが、山の地図の所要時間というのは、平均的な男性が10キロの荷物を背負って歩いた場合(休憩なし)の時間だと聞いた事があります。で、平均より劣る人間が20キロの荷物を背負った場合は当然にしてもっと時間がかかるんだろうな、と予測した訳です。
悲しいかな、この予測は大的中したというのは言うまでもありません(泣)
08時08分
水俣乗越への分岐を過ぎてしばらく登って行くと、3,000mの峰が見え始めます。色が違いますね。
で、さらに進んで行くと森林限界を超えて行きます。
しかし、まー、見事な秋晴れです。紅葉もだいぶ進んできているようですね。空ばっかり見ていると転んでしまうので、しっかり足下を見て進みます。
10時27分
だいぶ息が切れて辛くなってきた頃、水場に到着します。
ここは大変貴重です。自分も既に空になっていたハイドレーションパックに水を補給します。
ちなみに自分のハイドレーションパックは3リットル入るのですが、満タンにすると、かなり膨らんでしまい意外にスペースを取るのと、めちゃくちゃ重くなるので、いつもは半分程度しか入れません。
今回も次の山小屋(槍ヶ岳山荘)までの距離を考え、半分程度の補充にしておきます。
10時51分
そして、ここまで登ってきて、やっと槍ヶ岳が顔を出しました!!
感激です!!
12時19分
槍ヶ岳が見える頃から最後のスパートが始まります。
同時に山小屋の標識が出始めます。
この周辺の山小屋は3カ所。殺生(せっしょう)ヒュッテ、ヒュッテ大槍そして槍ヶ岳山荘。
写真に写っているのは殺生ヒュッテ。山小屋が見えてきたというのは凄く安心感があります。
12時44分
槍ヶ岳山荘への直下です。
写真でも微妙に分かると思いますが、直登ではなくジグザグに登って行きます。
ちなみにジグザグって英語なんですよね(zigzag)。 かー、全然関係ねー、なんだ突然ー。
で、槍ヶ岳山荘が建っている部分が通称「槍の肩」で本当のとんがった部分を「槍の穂」と言っているのはご存知の通りです。で、この近辺になってくると槍の肩まであと何メートルという案内がでてきます。
13時45分
槍ヶ岳山荘(槍の肩)到着。
まずは、ザックを下ろして休憩をします。
槍ヶ岳山荘では音楽の演奏をすることもあるようです。宿泊者には演奏のご案内がされていました。
13時49分
さあ、ついに槍の穂に向けて登るときが来ました。
もちろんザックは山荘に置いておいて、カメラのみを持って行きます。
槍の穂は往復1時間程度です。ただし、もの凄い岩登りですし、これまでの写真を見てもお分かりの通り、滑落したら命の補償はありません。
ただ、鎖、ハシゴ、アンカーボルトなどかなり整備されていますので、登りやすいです。
14時05分
ハシゴや鎖はかならず一人づつ。これがルール。皆、ちゃんと守っています。「いいですかー?」「下りましたよー、どうぞー」って。
で、槍の穂は登りルートと下りルートが一部わかれています。写真の部分も隣り合わせですが、登りと下りのルートは違います。ですが、多分下りの方が多少ですが楽なのでしょう、気が利く方は、「どうぞこっちの方から上がってください、少し楽ですから」といって気を使っていました。
いいですね、こういうのも登山の醍醐味です。
しかし、こんなところで写真を撮っている自分って・・・
14時10分
振り向けば、槍ヶ岳山荘が目下に広がっています。
ここは造成してこのような平地を作った訳でなく、もともと稜線上にこのような開けた場所があったそうです。
14時21分
槍ヶ岳登頂
感激です。
この景色と達成感。
大天井岳とそこから続く稜線がよく見えます。
いつかは縦走してみたいなと思っているコースです。
奥の方の稜線を右へ行くと蝶ヶ岳へと続きます。
その蝶ヶ岳が遠方に見えます。
目下には今まで大変な思いをして登ってきた登山道が見えています。
これからの旅路となる大喰岳と中岳が見えます。さらに先の南岳、北穂高岳は雲の中です(この写真は頂上から少し下りたところから撮影しています)
左のほうには前穂三山が見えています。
さて、本来の予定でしたら、このあと直ちに南岳まで向かう予定でしたが、この時点で体力が相当消耗しているのと、南岳までの稜線がこんなに凄いとは思っていなかったので、急遽、宿泊地をこの槍の肩に変更する事にしました。
夕日は雲がでていて理想の夕日ではありませんでした。一様写真なども撮ってあるので機会があればFBなどで紹介しようと思います。
ちなみに星空は大変美しかったです。天の川などばっちり見えていました。こんな美しい夜空は久々でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
記事は第2部に続きます。
2013年9月29日
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