夏の穂高連峰縦走(第1部)
ついにやってきた夏の穂高連峰縦走。
今回は台風が接近していた関係もあり、直前までキャンセルするかどうか迷っていました。しかしながら山の天気予報では晴れという予報でしたので、とりあえず行ってみて天候によって行動を決めることにしました。
結果的にはまずまずの天候でした。予定どおりの行程こなすことができ、大変満足した3日間でした。
07時17分
いつもながらの河童橋から見上げる穂高。稜線に雲がかかっていて少し心配ですが、山の天気は本当にわからないので良い方向になるように期待します。
今日は涸沢までなので、出発を遅くしました。
本当はこの夏の時期なのでもっと早く到着できたのですが、そんなに急ぐ理由がないので車の中でぎりぎりまで仮眠していました。
09時35分
今回は横尾までノンストップで行きました。
さすがにこの時期は人が多いですね。ま、まさにシーズン真っ盛りなので当たり前と言えば当たり前なのですが。
さすがに横尾までノンストップで来ると疲れてきますので、長めの休憩を取る事にします。といっても日差しが照りつけていて、木陰はすでに人でいっぱいなので炎天下の中座っていたのですが、「だったら、本谷までいって休憩した方がいいんじゃないか」と思い、結局は早々に先へ進む事にします。
10時23分
横尾からしばらく歩いて行くと北穂高岳が見えてきます。
よく見ると北穂高小屋も見えます。北穂高岳は明日に登りますが、明日もこんないい天気だといいなと思いながら眺めます。
5月に来たときは、この部分はまだ雪が残っていて歩きにくかったのですが、もう雪はすっかり消えていて歩きやすいです。
10時33分
本谷橋に到着しました。
ここは涸沢〜横尾間のちょうどよい休憩ポイントです。川の涼しいせせらぎの音を聞きながら休憩します。
周囲を見渡すとすっかり夏の山になっています。緑が濃いですね。
さて、ここからは登りがキツくなります。
あえてゆっくりと登って行きます。不思議な事に涸沢に到着するまで誰にも抜かれませんでした。
12時02分
さあ、穂高の峰々が見えてきました。
士気が上がってきます。
2012年の縦走のときは、この近辺で雪渓の上を歩いたのですが、今回はこの部分に雪渓の姿はありませんでした。
12時35分
涸沢到着。
先ほどと比べだいぶガスが出てきました。これが山の天気ですね。あなどれないです。
ご覧になって分かる方は分かると思いますが、今年は涸沢の残雪が多いです。テント場のほとんどがまだ雪の下です。今回は全て山小屋泊なのでテント装備はありませんが、テントを予定されていた方は残雪の多さにビックリしたのではないでしょうか。
12時40分
本日宿泊予定の涸沢小屋が見えました。
まずは小屋の受付を済ませます。小屋で発表されている天気予報を見ると明日は雨のち曇りとなっています。
ここで、明日の行動について考えます。
雨だった場合、北穂高岳から涸沢岳の稜線はリスクが大きすぎるということ。なので雨の場合は予定を変更して直接ザイテングラートを登って穂高岳山荘に行くようにします。
どの程度の雨なのか、どの時間帯に降るのか。山の天気は分かりません。
時間が経過して行きます。
明け方4時頃 雨
食事が終わった5時半頃 雨
6時頃 雨
やっぱり今日は雨かなと思ったその時、雲が切れて日が差し込んできました!
雨もやみ、青空が広がってきました。
そして決断します。
「計画通りに登る」
07時08分
小屋のテラスに出てみます。
奥穂高岳の近辺は雲に覆われていますが、青空が広がっています。問題なし。
皆ぞくぞくと登って行っています。
当初の出発予定は5時半。1時間半のビハインドですが、ただちに北穂高岳に向かって登頂を開始します。
07時11分
北穂高岳への最初の登りです。
完璧な青空というわけではありませんが、ちょっと前まで雨が降っていた事を考えると奇跡に近い天候です。
岩もまだ濡れているかと思いきや、本当に雨が降っていたの?と思うくらい乾いています。岩が濡れていると本当に滑りやすいです。なのであっという間に乾いてしまった岩に感謝します(本当か?)
07時49分
はい来ました〜
最初の難所です。初めて北穂高岳を訪れたときは呆然と立ち尽くしたのを覚えています。が、これが穂高なんです。穂高連峰というのはこういうところなんです。
ここは丸印が書いてあるところを登って行くと楽に行けます。
08時01分
お次はガレ場の登場です。
岩の上から上をバランス良く乗り移って行きます。次の一歩はどちらの岩に足を乗せるか迷います。意外に神経を使うし、一気に高度を上げて行くのですごく疲れます。
皆が歩いている部分は多少岩の色が違うのである程度は見分ける事が出来ます。
08時17分
そしてついにやって来た、最大の難所と思われる部分。
クサリをたよりに一枚岩を登って行く難所。その先は三点確保で岩場を進み、最後にハシゴを登ります。
渋滞発生地点でもあります。
今日はそれほど人が多くないので待つ事はありませんでした。
08時25分
さあ、難所を乗り切ると稜線が近くなってきます。
先ほどまで雲に覆われていた奥穂高岳や涸沢岳の姿が見えてきました。
そして右の方を見ると、これから歩く北穂から涸沢岳への稜線がはっきり見えます。
この時点ではガスが抜けていて最高の状態でした。そう、この時点では・・・
さて、北穂高岳への道はここからが本番。
ここから先はがらっと様子がかわり、岩登りになります。高度も3,000m近くなっているので疲れやすくなっています。決して急がずゆっくりと進んで行きます。
09時03分
相変わらずの岩稜地帯です。
一歩一歩がキツイです。でもここまで来たらテント場がもう近くなっているはず。テント場からは山頂まで20分程度で到着できることは分かっています。「テント場まだか〜」っと念じながら登り続けます。
なんだか怪しい雲が出始めてきました。
天候大丈夫だろうな・・・
09時24分
北穂高岳のテント場に到着。山頂はもうすぐです。
で、ご覧になって分かると思いますが見事に雲の中に入ってしまいました。視界ゼロです(泣)
ま、いいんです。これが山の天気ですから。とにかくまずは北穂高岳山頂を目指します。
09時46分
北穂高岳登頂
晴れていれば槍ヶ岳を始めとする3,000m級の峰々が見渡せるのですが今日は残念ながら何も見えませんでした。
それでも、最初はあきらめるしかないかと思われていた北穂高岳に登頂できただけでも感謝感謝です。
昨年は蝶ヶ岳、常念岳の縦走だったので、3,000m峰に登頂するのは2年ぶりになりました。
とてもすがすがしい気分です。
さあ、少し休憩する事にしましょう。
記事は第2部に続きます。
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